はぐりぃ らぶりぃ

ぐらんまからのお見舞いメッセージ
このたびの東日本大震災によりお亡くなりになられた方々に、こころよりお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。皆さまの安全とご健康と、少しでも早い復旧をお祈りしております。

被災された方々が一日も早くこころを落ち着けることができる環境で暮らせますよう、そして皆さまが少しでも明るい笑顔を取り戻すことができますようにと願わずにはいられません。
子どもも大人も、災害のショックやその後のつらい出来事でこころが動揺してしまうのは自然なことです。被災された方のつらい思いを軽くするためにはどんなことが勧められるのか、支援者や救援者としてどんなことに気をつけるべきなのか…トラウマ研究の世界的権威であるボストントラウマセンターのベッセル・ヴァンデコーク博士から、仕事やボランティアなどで被災地を訪れ、被災された方々と接する皆さまに参考にしていただきたいポイントをお聞きしましたので、お伝えします。

●日常習慣を取り戻すお手伝いを
予期できることがあること、それが感情を安定させるのに大切な要素です。例えば子どもたちには、学校の再開が望まれますね。でもそれも難しい状況にある地域も多いようですから、そうしたところでは、朝、子どもたちを集めて幼稚園・小学校低学年・高学年・中学生などに分け、半日でも授業のようなことを行うことはできませんでしょうか。
授業の前にはラジオ体操などを取り入れられれば理想的です。体を動かすことで脳も働き始めますし、みんなで波長をあわせて何かする、というのも大事です。
「学校」開催には、地元の学校の先生はもちろん、避難所で暮らす高校生や大人の方の手もお借りできればいいですね。「何か役に立てる」ことは、被災された方のうつうつとしたこころの状態を晴らすことにつながります。

●何かすることは、いやしにつながります
被災地でのお仕事や救援・支援活動には困難も多いことと思います。本当にお疲れさまです。でもたいへんな活動のなかでも、被災された方が自らの体験談を話し始められたらじっくり聴いてあげてください。
また、手を動かしたり、体を動かしたり、誰かの役に立つことを始めると、こころの傷が軽くなります。「何もする気にならない」とおっしゃる被災者の方も多いでしょうが、「気持ちが軽くなりますよ」とお話しして、日記をつける、絵を描く、手芸をする、料理を手伝うなどといったご本人がすぐに始められそうなことを勧めてあげてください。
被災地では、生活に関わる物資をまず必要としているでしょうが、学校で使うノートや鉛筆、ペン、絵を書く道具、折り紙、手芸用品、日記帳なども重要な援助物資になります。直接の被災地でない場所で暮らし、被災地の報道に心を痛め、原発の状況に恐怖を感じている方々も、こうした物資を集めたり寄付したり募金をするなど、何か「する」ことが大切です。

●被災地に赴かれる方もご自愛ください
ご自身の体調管理も怠らないようにしてくださいね。夜は仲間みんなで集まって、良かったこと(反省会ではありません、褒め会です)、明日しなければならないこと、一人ひとりの責任や配置などについて話し合い、お互いのサポートをしっかりすることです。また苛酷な体験を負った方々のお話しを聴くことで自らも精神的打撃を受けてしまわないよう、自分の気持ちを話せる人とバディ―(二人組)になりましょう。

私も米国で募金を集めています。日本を離れていても、こころはいつでも皆さんとともにあります。どうぞご無事でいらっしゃってくださいね。

 

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