はぐりぃ らぶりぃ

ぐらんまからのお見舞いメッセージ
東北の大地震と津波、それに福島の第一原子力発電所の爆発など、3月から不安と恐怖の連続でしたね。この災害でお亡くなりになった方々へは、心からのご冥福をお祈りするばかりです。

被災地の方々は余震が長く続いたために常に不安と怯えを感じて、気持ちのおさまる時がなかったでしょうね。そのため、今も夜眠れなかったり、食欲がなかったり、突然一番怖かった場面を思い起こして震えたりなさっているかもしれません。これをトラウマ(心の傷)的ストレス障害といいます。普通なら大体2〜4日で体と心の不調が収まるのですが、今度のような大きな災害と、長期にわたる不安状態では、ストレス状態が続いて、急性ストレス障害(4週間くらいまで続く症状)や心的外傷後ストレス障害(PTSDと言って4週間を通り越して何年も続くか、後になって症状が出来くるもの)に進行しやすいのです。

ストレス障害には、心が落ち込んで、体もぐったりとして何もできなくなり、ぼーっとしたり(麻痺)、心がここに無い状態(解離)になることもあり、その反対に、いつも怯えて食欲が無く夜も眠れない(過覚醒)状態や、小さな余震でも大きいのが来るような気持ちになって机の下にもぐったり(再体験)、同じような場所に近付かない(回避)などの症状があります。

子どもたちの不安とおそれ
あまりにも怖い体験に大人が怯えている時は、赤ちゃんや幼児さんは大人の不安を何十倍も感じています。泣いてばかりいて避難所で大人にどなられたり、赤ちゃん返りをしておっしっこを漏らしてしまい叱られたり笑われたりしているのでは・・・と心配なのです。ご両親を亡くされた子どもさんたちが今回は沢山いるそうですね。本当に心が痛みます。

子どもたちが今度の災害の体験から立ち直るリジリアンシ―(弾力性)を強めるために、お父さんお母さんに(ご親戚の方、またはお子さんが近くにいる大人の皆さんにも)覚えていていただきたいことがいくつかあります。
まず、赤ちゃん返りを叱ったり、子どもの不安感を無視してまとわりつくのを拒否したりしないでください。出来るだけ一緒にいてあげましょう。もし夜中に泣き声を上げながら目を覚ましたり、急に震えだしたりしたら、キュッと抱きしめて泣くのを止めたり震えを止めたりしてはいけません。泣くことや震えは、体や脳にたまった緊張のエネルギーを発散させる自然な現象です。隣に座って子どもの背中にそっと手を添えて、震えや泣くのが自然に鎮まるのをゆっくり待ちましょう。鎮まったら一緒に鼻から息を吸って、口からゆっくりと吐く深呼吸を一緒にしてあげてください。

子どもが話せるようになったら、何を感じているのか(怖い、悲しい、悔しい、いや―な気持ちなど)話すのを、共感を持って聞いてあげましょう。そしてその怖いなどの気持ちが体のどこに在るのか聞いてください。お腹・頭・首・手などを子どもが指したら、それがどんな形なのか、その大きさは、色は、等と具体化します。この辺になると遊びに近くなりますね。
子どもは多分「おもちのように固くて大きい」とか「マシュマロのように柔らかい」など、想像力をたくましくして答えるでしょう。そうしたらしめたものです。子どもの「考える脳」「想像できる脳」が活性化した証拠です。次に「ではパパ(ママ)のやるように、そのおもちを柔らかくしようね」とか「マシュマロを溶かしてしまいましょう」などと言って、その感情の場所を子どもが自分の手でゆっくりマッサージするように指導します。おもちが柔らかくなったとかマシュマロが溶けたあとは、又一緒にゆっくりと、3回深呼吸してください。多分これで子どもは眠りにつけるでしょう。

まだ余震などが続くでしょうが、パパ・ママとしてあなたたちが怖がらず、恐ろしい映像を繰り返すテレビなどを子どもに見せないようにすれば、子どもたちは落ち着きます。子どもに安全感を与えてあげるのが、私達大人の使命ですからね。質問があったらいつでもメール頂戴ね。

 

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