現代は生活のくり返しが忙しく、子育てに追われて『母親をやめたい』『疲れた』と感じる人が増えています。
なぜそんな気持ちになるのでしょうか。2025年の最新調査から、育児疲れや心理的負担の背景を探ります。
特にワーキングマザーやシングルマザーでは、仕事と育児の両立によって疲れや孤独感が強まりやすく、
周囲に理解者が少ないと子育てへのプレッシャーが増し、『母親をやめたい』と追い詰められてしまうケースもあります。
本記事ではこうした背景や対策について専門家の意見なども交えて解説します。あなたは一人じゃありません。
目次
疲れた…母親をやめたいと思う瞬間とは?
育児に家事、仕事まですべてを抱え込んで休む間もないと、ふと「もう母親をやめたい」と思う瞬間が訪れます。特に真夜中の子どもの夜泣きや、休みなく続く子育てタスクの連続などで限界を感じることがあります。
こうした気持ちは「母親失格」ではなく、追い詰められた疲れのサインです。次のセクションでは、具体的にどんな状況でそう感じやすいか解説します。
休む間もない育児生活
母親の役割は24時間365日続きます。朝から夜まで子どもの世話、食事の準備、家事が山積みで、自分の時間を取る余裕がありません。
特に乳幼児期は頻回授乳や夜泣き対応が重なり、慢性的な睡眠不足に陥りやすく、身体的に大きな疲労が蓄積します。
理想と現実のギャップによる自責感
子育てにあたって「完璧な母親像」を描いてしまうと、その理想とのギャップに苦しむことがあります。たとえばSNSや周囲のママ友を見るとみんな上手くやっているように見えて、自分だけがうまくいかないのではと感じることも。
育児書や世間の理想像どおりにできない自分を責めてしまい、余計に疲れやストレスが増してしまいます。
孤独感や周囲からのプレッシャー
周囲とのつながりが薄いと、育児による孤独感が強まります。実家や友人から離れている環境では、困ったときに相談できず不安が募ります。
さらに「親はこうあるべき」「◯◯歳までに○○しないと」といった社会的な期待や、義母・親戚からの助言・批判がプレッシャーになると、自分だけが育児の重荷を背負っているように感じてしまいます。
母親をやめたい気持ちが生じる原因
「母親をやめたい」という気持ちは非現実的な考えではなく、多くは育児疲労とストレスが重なって生まれます。
このような気持ちが生じる背景には、過度な育児負担や不十分な休息、パートナーとの協力不足など、いくつかの原因が考えられます。以下で詳しく見ていきましょう。
2024年の調査では、働く母親の約47%が「2024年に最も優先したい時間は休息・睡眠」と回答しました。育児と仕事の両立で休息時間が圧迫されており、多くの母親が休息を優先したいと感じている実態が浮き彫りになっています。
過度な育児負担と休息不足
子育てと家事を両立しなければならない状況では、十分な休息が取れないと疲労が蓄積します。
特に共働き家庭で仕事を抱えながらの育児や、ワンオペ育児(パートナーの協力が得られない育児)では、一人で家事育児を全てこなす必要があります。こうした場合、心身ともに追い詰められやすくなります。
パートナーとの不均衡な家事・育児配分
パートナーが家事・育児にあまり参加しないと、負担が一方に集中します。たとえば、夫が仕事で帰りが遅かったり家事育児に協力してくれなかったりすると、母親がすべて背負うことに。
こうした状況では母親に責任意識が集中し、「自分だけがこんなにつらい思いをしている」と感じやすくなります。
完璧主義による自己追い込み
「いい母親」「お母さんらしさ」を追求して自分に厳しくなる完璧主義も、疲れの原因になります。
たとえば、子どもの言うことが常に完璧に守られていないと自分を責めたり、家事や育児のすべてを理想通りにこなそうとすると、いつまでもがんばり続けてしまいます。結果として負担が増し、自己評価の低下につながることがあります。
産後うつなどメンタルヘルスの影響
出産後はホルモンバランスや生活リズムの変化が起こり、産後うつなど精神的な不調が現れやすい時期です。
実際、2024年の調査では新生児を育てる母親の約78%が「産後は精神的につらかった」と回答し、その主な原因として約84%が「睡眠不足」を挙げています。育児に追われて休息が取れないと、精神的な負担はさらに増大します。
2024年の産後のメンタル調査では、新生児を抱える母親の約78%が産後に精神的負担を感じ、「とてもつらかった(産後うつだったと思う)」と答えました。最も多かった原因は「睡眠不足」で、約84%が挙げています。産後2ヶ月頃に精神的負担がピークになることも指摘されています。
育児疲れのサインとメンタルヘルスの関係
育児疲れが深刻になると、心と体にさまざまなサインが現れます。このセクションでは、主な心理的サインと身体的サインを紹介し、産後うつとの違いや専門的なサポートが必要になる目安についても解説します。
イライラ・落ち込みなど心理的変化
慢性的な疲労が蓄積すると、気分が不安定になりやすくなります。普段は気にならない子どもの行動にイライラしたり、自己効力感が低下して「自分はダメな母親だ」と落ち込むケースもあります。
また、常に漠然とした不安や焦燥感を抱いたり、何事にも集中できなくなるといった変化も心理的サインの一つです。
慢性的な疲労感や体調不良
身体的には、慢性的な疲労感が一番のサインです。朝起きたときにすでに疲れが取れていない、常に体がだるく感じる、十分に眠っても疲れが残るなどの状態が続きます。
また、睡眠不足から頭痛やめまいが起きやすくなったり、免疫力が落ちて体調不良を起こしやすくなることもあります。
産後うつとの違いと対処の目安
育児疲れがあるだけの状態と産後うつは区別して考える必要があります。産後うつは感情の落ち込みや不安、子どもへの愛情の低下などが長期間続く状態で、専門治療が必要になる場合があります。
以下のような症状が2週間以上続いているなら、医療機関や専門家に相談することをおすすめします。
- 毎日のように気分が落ち込み、憂うつな状態が続く(2週間以上目安)
- 以前楽しめていたことに興味が持てず、子どもや家族に対して愛着や楽しさを感じられない
- 極端な不眠または過眠、著しい食欲の変化が続く
- 自己評価が極端に低くなり、自分は価値がないと感じたり、自傷・自殺念慮が生じる
こうした症状が見られたら、早めに産婦人科や心療内科など専門機関で相談することが大切です。また周りに頼れる人がいるならその人に助けを求め、一人で抱え込まないようにしましょう。
頼れるサポートと相談先
母親が疲れを感じたときには、ひとりで悩まないでください。周囲には頼れるサポートや相談先がたくさんあります。まずは身近な人や専門家に相談して、気持ちを分かち合いましょう。
パートナーや家族への相談
まずは夫や同居の親、親戚など身近な人に育児の大変さを話してみましょう。
言葉にするだけでも心の負担が軽くなり、周囲に協力を求めるきっかけになります。たとえば、夫に家事・育児の分担を増やしてもらう、実家に子どもの世話を頼むなど、具体的に助けを求めてみてください。
ママ友・先輩ママとの情報共有
子育て経験のある友人や先輩ママに悩みを打ち明けてみましょう。同じ立場の人と話すことで共感が得られ、的確なアドバイスがもらえる場合もあります。
最近では地域の子育てサークル、育児SNS、オンラインコミュニティなど仲間づくりの場が増えているので、積極的に活用するのもおすすめです。
医療機関や専門家への相談
「もう限界かもしれない」と感じたら、早めに医療機関や専門家に相談しましょう。産科医や小児科など身近な医療機関でも育児相談を受け付けているところがありますし、産後メンタルヘルス外来や育児カウンセリング、保健師による訪問指導といった支援も利用できます。
また、自治体の育児相談窓口や電話相談(チャイルドライン、子育て世代包括支援センター等)を活用して一人で抱え込まないようにしましょう。
地域の子育て支援サービスの利用
市町村が運営する子育て支援センターや児童館、親子広場などを利用してみましょう。
これらの場では育児相談や親子教室、おしゃべりサロンなどが開かれており、リフレッシュや情報交換に役立ちます。また、緊急時には病児保育やファミリー・サポート・センター(ファミサポ)のような一時預かりサービスを利用して、一息つける時間を作ることもできます。
制度やサービスで子育ての負担を軽減するには
自治体や国の子育て支援制度を活用することで、育児の負担を軽減できます。ここでは、利用できる主な制度とサービスを紹介します。
自治体の育児支援制度(保育園・一時預かり)
自治体が提供する保育サービスには、認可保育園・認可外保育園、病児保育、一時預かり保育などがあります。
例えば病児保育(子どもが病気でも見てくれる保育)やファミリーサポート・センターのような一時援助制度を利用すれば、急用や必要時に一時的に子どもを預けられます。これらを活用して、どうしても育児が厳しい日は一息つきましょう。
産後ケア施設や助成金
産後ケア事業の拡充により、産後の母親向けに様々な支援が増えています。自治体によっては産後ケアセンターへの宿泊やデイサービスの利用助成を行っており、出産直後に体力を回復する機会が得られます。
さらに子育てには児童手当や医療費助成など多くの補助制度があります。各種申請手続きは早めに行い、利用可能な制度は積極的に活用しましょう。
ベビーシッター・家事代行の活用
ベビーシッターや家事代行サービスを利用すれば、家にいながら時間的余裕を確保できます。自治体によっては夜間ベビーシッターの費用補助制度もあるため、自治体の子育て支援窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
適切なサポートを受けて、自分の時間を作るのも大切です。
職場の福利厚生・時短制度
企業ではワークライフバランス支援が進んでおり、時短勤務や在宅勤務、フレックス制度などが利用できることがあります。
産前産後休業の取得や育児休業の分割取得なども法律で認められています。職場の制度や上司・同僚の理解を得て、無理のない働き方をしましょう。
疲れを軽減する具体的な方法
以上で紹介した原因やサポートを考慮しながら、日常生活でできる疲れの軽減方法について考えてみましょう。体と心を休めるための具体的な工夫をいくつかご紹介します。
十分な睡眠と休息を確保する
まずは睡眠を最優先に確保しましょう。夜は可能であればパートナーに育児当番を交代してもらう、週末に子どもを祖父母に預けて寝溜めするなどして、睡眠不足を緩和します。
また、家事を少し後回しにして昼寝をする、子どもとの遊び時間に体を横にするなど、短い時間でも体を休める工夫をしてみてください。
家事・育児のアウトソーシング
完璧を目指して育児と家事を抱え込まず、助けを借りましょう。たとえば買い物はネットスーパーや宅配を利用し、家事は掃除ロボットや家事代行サービスに任せてみてください。
食事は調理キットや簡単冷凍食品を活用する、パートナーや家族・友人にも具体的に手伝いを依頼して負担を分散しましょう。
自分の時間を設けるリフレッシュ法
育児から完全に離れる時間を意識してつくりましょう。たとえば、夫や親に子どもを預けてカフェで読書をする、一人で散歩に出かけるなど、短時間でも自分が楽しめる時間をつくってください。
日常から離れてリラックスすることで、ストレスが緩和されます。
段取り改善や効率化
家事や育児には段取りが重要です。1週間分の献立を考えてまとめ調理したり、子どもと一緒に簡単な家事をする、タスクを「ながら家事」に変えるなど、効率的に進めましょう。
すべてを完璧にこなそうとせず、「ほどほど」で満足することも負担軽減につながります。
母親の心を支える考え方
考え方や意識を変えることで、育児への捉え方が楽になることもあります。母親自身の心をサポートするために、以下のような考え方を取り入れてみましょう。
完璧を求めず自分を許す
母親に完璧を求めないでください。重要なのは子どもに愛情を持って接することであり、食事や家事が完璧でなくても命に関わることはありません。失敗しても「今日はこれでいい」と自分を許し、小さな達成感に目を向けるようにしましょう。
育児はチーム戦と考える
育児は本来、家族全員で支え合うものです。妻一人の責任にせず、夫や家族を巻き込むチーム戦だと考えてみましょう。パートナーに感謝の気持ちを伝えつつ、具体的な手伝いを頼むことで、協力関係が生まれます。一緒に子育てをする仲間がいるという意識を持つと、一人で頑張りすぎずに済みます。
休むことも大切、と自分に言い聞かせる
「休んでしまったらダメ」と自分を追い詰めないようにしましょう。休息は怠けではなく、心身を回復させる大切な時間です。授乳の合間に横になる、子どもと一緒に早めに寝るなど、意識して休息時間を作りましょう。必要な時に休む勇気は、決して弱さではなく次の日への充電になります。
子どもの成長は時間がかかると受け止める
子育てはマラソンのように長期戦です。目の前の子育てがつらくても、子どもは少しずつ成長し、やがて手がかからなくなります。「今は大変だけど永遠ではない」と割り切り、長い目で見ましょう。小さな一歩一歩を着実にこなしていけば、いつかは報われると考えると、気持ちが楽になります。
まとめ
本記事では育児疲れが原因で「母親をやめたい」と感じる理由やサイン、そして対処法についてご紹介しました。一番大切なのは「母親だから」という固定観念にとらわれず、自分の体と心をいたわることです。必要なときは周囲に頼ったり、制度やサービスを積極的に利用して休息を取りましょう。
「母親をやめたい」という気持ちは決して恥ずかしいことではありません。多くの母親が同じ悩みを抱えながら子育てしています。あなたは一人じゃないという意識を持ち、少しずつでも前進していきましょう。一息つく時間や支援を取り入れることで、必ず心が軽くなる時が訪れます。
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