はぐりぃ らぶりぃ

ぐらんまだより
13回目
脳波を自分で調整する治療法
 「ニューロフィードバック」を体験
かわいい孫娘へ


とても凄いお勉強をニューヨークでしてきましたよ。

今、日本では、“発達障害”と診断されている子どもさんたちが少なくないそうですね。
発達障害とは、なんらかの原因で脳の発達が阻害された発達遅延で、社会適応に支援が必要な状態です。主な治療法としては心理療法や行動療法、そして薬物療法等があげられますが、今年、ボストンで開かれた「心的トラウマ講演会」で、“ニューロフィードバック”という方法で発達障害の治療をしている先生方にお会いしました。

ぐらんまが尊敬する米国トラウマセンター医療ディレクターであるベッセル・ヴァン・デ・コーク博士も、ニューロフィードバックがトラウマ治療にとても効果があるとおっしゃっていたので、興味がわき、ニューヨークで研修を受けることにしたのです。
ぐらんまだより
脳が自分で脳波を調整することを学ぶ「ニューロフィードバック」
ニューロフィードバックというのは、脳波を自分で調整することを支援する治療です。緩やかな電流を、私達の頭にある19の電極のなかの一つに流して、注意欠陥多動性障害(ADHD)や注意欠陥障害 (ADD)、高度自閉症のアスペルガ―症候群等の発達障害や、欝症状、躁欝症状、トラウマなどで不調になった脳をなおしていくのです。
ちょっと難しいでしょうけど、我慢して聞いてね。

5種類の脳波
4日間の研修中は毎日新しいことが学べて、とても短く感じました。
まず私たちの頭の中に出る脳波は5種類に分類されることを学びました。

夜ぐっすり眠っている時の緩やかな脳波は“デルタ波”です。目が覚めたばかりでまだボーっとしている時は“シ―タ波”が、目がはっきり覚めて「いいお天気」と言ってゆったり青空を眺めていると“アルファ波”が、そして、「そうだ今日はあれをしなければ、これをしなければ」と頭を使って計画を立て始めると“ベータ波”の脳波が出ます。そしていろいろなことをたくさん考えて脳が興奮していると“スーパーベータ波”が出るのですって。

でも発達障害と言われている子どもたちは、この脳波がきちんと出ないことがあるのだそうです。例えばADHDと診断されている子ども達のほとんどが、目覚めの時に出る脳波であるシータ波が多く、注意して行動するのに必要なベータ波が出ないので、動き回るなどの多動で脳を興奮させてベータ波を出そうとしているというのです。

今、「刺激剤」と言われるお薬を飲ませて注意集中を助けている場合が多いようですが、お薬に頼らずに治療できたら良いと思いませんか?それがニューロフィードバックなのです。

ゲームで楽しい治療
ニューロフィードバックにはいろいろな機械があるようですが、ぐらんまたちが研修で使ったのは、いくつかのゲームの入った患者用のパソコンと、患者の脳波を見ることができるソフトの入ったパソコンの二つに、両方にデータを送り込む電極の箱(これが患者さんの頭と繋がります)です。

ぐらんまだより ぐらんまのパートナーは歯医者さんで、娘さんがADDで、パパが研修を終わって、機械を買って帰ってくるのを待っているという事でした。私たちはさまざまな症状が書いてあるアセスメント表を渡されて、表の左側に書いてある症状が多かったら左の脳を、右側の症状が多かったら右の脳を治療することから始めました。

このような質問に正直に答えて、一時的、または少し長期にわたる育児支援を受け入れることで、子育てリスクのある家庭でも、赤ちゃんと大切な愛着関係をしっかり結び、大人を信用して大人から学べる子どもを育てることができるようになります。

ぐらんまは「夜、目が覚めてしまう」等、左側に書いてあった症状が3つあったので、左脳の電極に電線を張り付けてもらい、患者用のパソコンの中からゲームを選び、それを見ながら治療してもらいました。

最初のゲームは昔懐かしいような「パックマン」で、モニター上にある点(ドット)をパクパクと食べていくイメージが映しだされて、パックマンが1列に並んだ点を食べ終わるごとにチ―ンと鐘が鳴って点数が出るのです。鐘も点数も別に治療に関係がないそうですが、子どもの興味をそらさないようにするための工夫らしいです。

ぐらんまは、自分のパソコンでパックマンのゲームを見るより、歯医者さんが見ているぐらんまの脳波が映っているパソコンの方に気を取られて盗み見をすると、パックマンが止まってしまって動かなくなりました。リラックスするとパックマンがひとりでに動き出すので、ゆったりと見ていれば良いのですが、それがなかなかできずに困りました。

でもそうやって20分ほどやっていただき、これを3日続けたら、夜、一度も起きずよく眠れて、昼間も頭がすっきりして物事がよくわかるような感じになりました。普通の治療は一週間に二回、一回20〜30分のセッションを、20〜30回行なうと、脳が自分で脳波の調整を学んでくれて、患者の行動に改善がみられるそうです。

ニューロフィードバックの機械がとても欲しかったのですが7000米ドルで、ちょっと手が出ませんでしたが、参加者の中では精神科の医者や心理士たちがオフィスで使うために買っていき、私のパートナーの歯医者さんも、娘さんのために買っていらしたので、うらやましかったです。

私たちの講師であるエド・ハムリン博士は、来春日本にいらして、ニューロフィードバックを教えるとのこと。今、日本では4人の精神科医がこの治療をしているそうですが、もっと広まってくると、薬に頼りすぎずに子どもたちを治療できると、ぐらんまは大いに期待しています。

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