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妊娠25週〜39週
成長と発達の状態ぐらんまアドバイス
成長と発達の状態

妊娠25〜39週 臓器発達特殊化期 −生まれるための準備

  出生に向けて臓器がさらに発達する時期です。
ママの子宮の中にいるこの時期の赤ちゃんは、からだや臓器が一応できあがって、アミノ酸の液体の中でぷかぷか浮きながら、背伸びをしたリ、指をしゃぶったり、腕を伸ばしたり、宙返りしたりと、体操の選手のように活発です。生まれるための準備体操をしているのですよ。ママもお腹を中から蹴られたりして、「ああ、元気な子でうれしいな」などと思うでしょう?楽しい時期ですね。でも夏なら「ああ早く生まれて頂戴。ママ、暑くて暑くて、まいっちゃうのよ」なんてこぼしているかもしれませんね。

★出産予定日よりずっと前にうまれてしまったら?
未熟児赤ちゃんの脳と肉体を正常に育てる主役は、やはりママ

  近年、保育器などの発達で、第二胎児期に生まれた赤ちゃんの命を助けることは出来るようになりましたが、脳の発達が未熟で、学齢期に学習障害が起きたり、情緒障害になったりする例が多くありました。それが最近、未熟児としての出生直後のケアの仕方によって、脳の発達を助長できることが分かり、これまで生命を助けることに重点を置かれていた未熟児医療が変わってきました。
  アメリカでは、高齢出産や慢性病(糖尿病・高血圧・心臓病その他)のある妊婦さんは未熟児を生む確率が高いので、州の病院のいくつかに、このような「要注意」出産のための未熟児ICU(集中ケアユニット)を置いて、そこで出産するように指示されます。赤ちゃんは、おなかから出てきた途端にギラギラする光や騒音にさらされますね。これは、未熟児の脳にとって耐えられないほどの刺激になるので、生まれたらすぐお母さんの子宮を再現した未熟児ICUに移します。ここは、うす暗い灯りの、物音を極力抑えた環境にしてあります。そしてもうひとつ、赤ちゃんの脳の成長のため、未熟児ICUにはママの協力が必須です。産後の疲れが治ったら、ママにICUのベッドに寝てもらい、はだけた胸の上に裸の未熟児を腹ばいに置き、ママの心臓の音を聞かせます。そして赤ちゃんをすっぽりと覆うように柔らかい毛布をかけ、ママにリラックスしてもらい、時々赤ちゃんに話しかけながら、一日8時間ほど赤ちゃんと一緒に過ごすのです。寝ているだけでは大変ですから、未熟児が保育器を必要としなくなったら、今度はロッキングチェアに座って、赤ちゃんを抱いて話しかけたり、歌を歌ったりして、ゆっくりと一日ロッキング(ゆらゆらとイスに揺られ)します。このような未熟児ICUを持っている病院は「ロッキングボランティア」を募っていて、ママの代わりにロッキングしてくれるので、遠方から出産に来たお母さんたちが家に帰らねばならない場合でも、安心です。 以上は、出生予定日を待ち切れずに生まれてきた赤ちゃんが、ママのおなかの中に近い状態で、胎児から新生児への段階に発達するのを助ける「カンガルーケア」という未熟児医療法です。このようにケアされた未熟児は退院が早く、退院後も、予定日に生まれた赤ちゃんと心身の成長度が同じであることが、アメリカでは実証されています。

未熟児医療の中心をママにおく意義は、赤ちゃんの身心の発達を助けることだけはありません。未熟児赤ちゃんのママは、出産後しばらく子どもと別に暮らすことになり、無力感や子どもとの隔絶感などを感じて、赤ちゃんが無事に退院できても、可愛いと思えなくなることがあります。でも、ママが未熟児の成長を促す治療の主役として活躍すればするほど、わが子を「可愛い」「愛おしい」と思う度合いが深まり、家庭に親子で戻った後の子育てが順調に進むことが分かってきています。カンガルーケアは未熟児もママも助ける、やさしいケアですね。
あなたが産院を選ぶ時、どんな未熟児ケアをしているかを確認することも大切なポイントかもしれません。
(日本では、赤ちゃんが生まれてからママと一緒に寝かせるのを「カンガルーケア」と言っているようですが、アメリカでは、ボストンブリガム婦人病院で2000年頃から始まった未熟児ケアのことを「カンガルーケア」と言います)。
 
ぐらんまアドバイス

話しかけて、手で感じて始める、親子の絆づくり

赤ちゃんとママとはもうしっかりと肉体の絆が結ばれていますね。では、パパやその他の家の人たちはどうしたら良いのでしょうか?昔は、外からの声も胎児に聞こえると思われていて、ここが耳だと思うところにパパが口を近づけて「おーい、早く生まれてこいよー」などといったものです。こうしても実は赤ちゃんには聞こえないのですが、聞こえなくても、これは、パパ側の「愛着の絆」作りの大切な準備になると思いますよ。それからママの大きなおなかを毎晩なでてあげるのも、ママをリラックスさせるとともに、胎動を手に感じて、パパとして「あー僕の子がここに生きている」と感動を覚えることにつながるでしょうから、ママとパパがチームになって、生まれてくる子どもを受け取るための準備になりますね。

 

ママが心も身体も安定して毎日を過ごし、ゆっくりと音楽などを聞くと、赤ちゃんの心拍もゆっくりすると良います。ストレスを少なくするためには、周りの人たちの協力も大切です。パパには、妊婦ママを守る役目をして欲しいですね。
ママの優しい呼びかけや楽しい笑い声も、お腹の赤ちゃんに心地よさを伝えます。この時期は毎日大きな声で簡単な本を繰り返し読んだり、子守歌を歌ったりして、聴覚の発達もサポートしましょう。

話しかけて、手で感じて始める、親子の絆づくり

赤ちゃんは、胎児期に聞いた音や歌を生れてから3ヵ月間は覚えていて、出産後も同じ歌や声を聞くととても安心してするのですよ。

仕事を持っているママたちは、それがストレスでなければ、出産直前まで仕事を続けていても良いのです。時間に起きて時間に出勤するリズムのある生活はママの身心の健康を保つのに良いといわれています。それから適度な運動を続けてくださいね。

 
 
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