はぐりぃ らぶりぃ

6〜9ヵ月
成長と発達の状態ぐらんまアドバイス知っトク知恵袋
成長と発達の状態

左脳が発達開始〜言葉の意味のわかりはじめ

赤ちゃんの感情をつかさどる右脳は、ママやパパとの情緒的な関わり(抱きしめられて頬ずりされたり、可愛いねとキスされたり)で生まれた直後からどんどん発達していきますが、言語をつかさどる左脳の発達が活発になるのは生後6ヵ月ぐらいから。ママとパパ、家族からたくさん話しかけられたことで準備ができた左脳では、まず言葉が分かる場所(ウェルニッケ野)が育ってくるので、名前を呼ばれると振り向き、「ママ」「まんま」などの意味が分かるようになってきます。ママは「●●ちゃん、(自分を指して)はい、これママですよ。今ママがおむつを取り替えてあげるね。気持ちが良いでしょう?」などと語りかけましょう。するとママ・まんまなどの熟語が角界という引き出しにしまわれて、言葉が話せるようになった時に使われていきます。

この頃は知能の発達も目覚ましく、「いないいないばぁ」など、相手の動きを予測する遊びが大好きになります。また、保護者に支えられてその膝の上に立って、ピョンピョン跳ねるようになり足腰も鍛えられていきます。これは次のはいはい(這い這い)や、つたい歩きの段階の準備なのですよ。

運動機能がどんどん成長

  6ヵ月頃になると、おもちゃを差し出すと一生懸命両手でつかもうとします。これは後頭部の視覚野と頭のてっぺんの運動野が「相応」して一緒に働き出したあらわれなのです。たたいて音の出るおもちゃを面白がったり、ぬいぐるみや布製の本をもてあそんで、最後には口に入れますね。昨日出来なかったことが今日出来たりして毎日の成長もめざましく、子育てが本当に楽しいと思える時期です(でもママとパパは大変かな?)

  うつ伏せに寝かせると頭を持ち上げ、寝返りが上手に出来るようになって、9ヵ月になると「はいはい(這い這い)」を始めますね。よく抱っこされた赤ちゃんは、「もう抱っこはいらないよ」というサインを出して、好奇心から部屋のあちこちを探索して自分で行動範囲をどんどん広げるでしょう。いろいろな物を口に入れて試してみる時期なので、ママもパパも目が離せませんね。
運動機能も、情緒面も、どんどん成長
  「はいはい」は、右手・左足、左手・右足、と交互に出して歩行の基礎を作るとともに、大脳の右半球と左半球を連結する脳梁という神経の束を発達させて、両方の脳を一緒に統合して使えるようにしてくれる大事な運動です。「はいはい」をしないで育った子どもは左右の脳を統合して使えず、文字がさかさまに見えたりして、学習障害がおこることがあるそうです。子どもに成長において通るべき段階を、一つでも抜かさないようにしましょうね。

情緒や知的面の成長

6ヵ月頃から親指や自分の毛布などをしゃぶって、自分で自分をなだめる行為をします。おしゃぶりを吸うと気がしずまる赤ちゃんもいれば、特定のおもちゃを求める子もいますね。
これはママやパパがいつも傍にいなくても、不安や気分の高ぶりを自分で癒すことが出来る能力が発達した表れなので、子どもをよく観察して、おもちゃやおしゃぶりを取り上げたり、指をしゃぶることを止めたりしてはいけません。あなたのママ、つまり私の娘は、右手で左の耳をつかんで、左の親指をしゃぶっていました。眠くなるといつもそうして、自分で自分を眠りに誘っていましたよ。(あなたのママには内緒、内緒!)
8ヵ月頃からは情緒反応も豊かになって、大声で笑ったり、いやなことにむずかったりして、ママやパパから離されると騒ぎ出しますね。9ヵ月頃には人見知りが始まり、この間まで抱かれていた近所の方たちや、たまに会う親せきの人たちを怖がって泣くかもしれません。人見知りはいつも世話をしてくれる両親や家族としっかり愛着関係がついた証拠で、お祝いしてよい成長段階よ。家族=安全、他人=危険という区別がつかないと、自己防衛ができないでしょう?

 
ぐらんまアドバイス

親子で楽しみながら成長を助けましょう

・おはなし

この時期はどの国の言語の音でも聞き分けられる脳神経回路が沢山あります。だから、語りかけや本読みで母国語をいっぱい聞かせてあげて、母国語の回路を強めてあげましょう。語りかけるときは、「ウマウマ」という赤ちゃん言葉を「そうよ、ママよ」などと意味づけたり、気持ちや感情を「言葉にして」伝えることも大切です。本を読むより、絵を見せながらお話をしましょう。ママやパパは表情を豊かにして、声で主人公の感情を表現してみてください。赤ちゃんは本を見るよりもまだかじる方に興味があるでしょうが、あきらめずに毎日または毎晩続けてね。

・音楽

そうそう、音楽を聞かせるのも脳神経回路の発達を助けます。モーツァルトやショパンのクラシックのほうがを赤ちゃんは喜びますよ。でもすぐ飽きるので、ママやパパが歌ってあげてください。同じ音楽を繰り返すのも大切です。

・「いないいないばぁ」

ほかの人がどのような行動に出るか「予測できる」能力を育てる、社会生活に欠かせないスキルを育む遊びです。赤ちゃんも大好きなので、家族みんなで楽しんでね。

赤ちゃん自身の「癒し」行為

先にも書きましたが、おしゃぶりや毛布やおもちゃ、または親指などをしゃぶって、自分を癒す・なだめる行為を始めます。子どもによって色々ですからちゃんと観察して、この行為を直そうとしないでね。自分をなだめ、癒す能力はストレスの多い人間社会に生きていくのに大切なもので、成長するに従って、もっと適切な癒しの行為を自分で見つけていきますから、だいじょうぶ。あなたのママも2歳ぐらいから、指しゃぶりと耳いじりから、小さいスヌーピーのぬいぐるみを二つ胸に抱く方法へとかわっていきました。え?もっと大きくなってからはですって?えーと、ベッドの上に沢山のぬいぐるみを並べて、その中から毎晩一つ選んで、一緒に寝ていたのは覚えているけれど・・・。

家族でおでかけ

週末には家族で動物園や遊園地へ行って、楽しい体験をたくさんさせてあげましょう。動物の赤ちゃんをなでたり、パパと一緒に小さい車に乗ってハンドルに触ったり、と色々な経験が出来ますね。様々なものに興味をもって周囲を探索することで、脳神経回路がどんどん発達し、そして探索を繰り返すことで回路は強まっていきます。「興味」「好奇心」「探索」「発見」が後の「学習の喜び」につながっていくのですよ。頭の良い子になって欲しかったら、ママやパパは、上に書いたアドバイスを実践する時間や労力を惜しまないようにね。不自然な学習を繰り返すような赤ちゃん塾より、こうした親子で行う遊びの体験から自然に得る学習の方が、脳を健全に育てるのです。赤ちゃん塾などには、決して入れないでね。

 
知っトク知恵袋

「ハグ」と「タッチ」の安全の基地から、環境の探索へ

「ハグ(抱擁)」や「タッチ(愛撫)」を充分に受けた赤ちゃんの脳神経には、樹状突起と言う受容体がたくさんできて「喜び・快感・興味・楽しみ」などの脳神経回路がつながり、赤ちゃんは不安感や恐怖感を乗り越えて未知の環境に興味を示してきます。新しい発見や体験をすると、その刺激に一緒に反応している脳神経たちが連結して回路が作られ、またそれを繰り返すことで強化され、情報処理の良く出来る脳に発達していきます。ですからたくさん抱かれて育った赤ちゃんは、色々な物に興味を示して「そっちの方に行きたい」とむずかり、「はいはい(這い這い)」が出来るようになると親を気にしないで探索を始めます。でもすぐに怖くなってママやパパのいる方を見て、親が自分を見守ってくれるのを確かめると、また探索に移ります。そして本当に怖いと戻ってきて「抱っこ」を要求し、安全・安心感を与えられるとまたすぐ「降りる」というサインを出して、探検の再開です。めまぐるしいですね。これが正常に成長するということなので、「もう少しじっとしていてよ」などと云わないでね。すぐに疲れてお昼寝の時間がきますから・・・。

「ハグ」や「タッチ」などの十分な肌の触れ合いで、赤ちゃんはのびのびと成長していって、探索領域がどんどん広がりますから、赤ちゃんの見える場所、手の届くところに危険な物を置かないよう注意してね。「はいはい」する床にも、口に入れて危ないものが落ちていないように。また、床に近いところにあるコンセントには市販のコンセントカバーなどで覆いをし、赤ちゃんが指を入れたりできないようにしましょう。安全性の確保は保護者の責任です。できるだけ近くにいて、優しく応えながら小さな冒険を励まし、見守ってあげましょうね。

「ハグ」と「タッチ」についてはこちらから⇒

 
 
 
3〜6ヵ月 9〜12ヵ月