はぐりぃ らぶりぃ

9〜12ヵ月
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成長と発達の状態

立ったら周りが違って見えた

  赤ちゃんの脳は12ヵ月頃までに大人の二倍もの脳神経回路ができ上がります。でもこれら全部が機能しているわけではなく、大人との関わりや、毎日の経験で、使わない回路は消え、使う回路は強化されていくなど整理が行われていきます。

  運動能力も着実にあがり、たっぷり「はいはい(這い這い)」をしたら、今度は家具などにつかまって立ち上がるようになりますね。そうすると今まで見えなかったものが見え出し、ますます周囲の環境に興味を示します。階段の一番下の段を後ろ向きに降りたりして、新たなことに成功すると大変満足そうな顔をするのはこの時期。頼もしく、可愛いですね。

また、他の赤ちゃんの存在に気付いて真似をするようになるので、時々一緒に遊ばせてあげてね。
立ったら周りが違って見えた

「ニーズ」が「ウォンツ」に

9ヵ月頃から赤ちゃんの泣き方は、今までのように「眠い」「お腹がすいた」「のどが渇いた」「おむつが濡れて気持ちが悪い」「怖い」「抱っこ」などの生存と安全のニーズ(欲求)を伝えるものから、「これが欲しい」「もう食べたくない」「いや」「これやって」などウォンツ(要求)を伝えるものに代わっていきます。これからしつけの時代が始まるのですよ。
0〜3ヵ月のページで、ニーズにはすぐに応えなさいと言いましたが、ウォンツには応えても応えなくても良いのです。ママとパパが相談して、どれを許し、どれをさせないという家庭内のルールを作ってください。このルールは家族全部が守り、「ママが駄目と言ったら、おばあちゃんもしてあげられないのよ」と言ってママの権威を皆が強調するようにしてね。一貫したやり方や日常の習慣が赤ちゃんの安全感を強めるので、食事は家族一緒に楽しむ、また、寝る前に本を読むといったことなどを習慣化していきましょう。

 
ぐらんまアドバイス

まねは成長の大事な過程

先に、他の赤ちゃんと一緒に遊ばせてあげてと書きましたが、実際は、赤ちゃん同士で共に遊ぶということはまだ出来ず、皆それぞれ独り遊びをやっている状態でしょうね。それでもお互いに観察し合っていて、布団で作ったトンネルを「はいはい」でくぐる子がいると真似をしたり、つたい歩きをしている子を見た2〜3日後、急に家具につかまって立ち上がったりします。お互いに刺激し合っているのですね。お兄ちゃんやお姉ちゃんがいればもちろんですが、同じくらいの年齢の子たちと過ごすことで真似をしあい、成長していくのです。

成長や達成をほめる

他の赤ちゃんと遊ばせる機会を持つことは、親にとっても、ママ友やパパ友と交流が出来る良いチャンスですから楽しんでね。でもくれぐれも親同士でわが子を比較して張り合う場にはしないでください。心ないママ友から「あらまだ"はいはい"だけ?」などと言われたら、「ええ、"はいはい"で脳梁をうんと育てているのよ」とすまして答えることです。
子どもの成長は一人ひとり違います。競争心なんか捨てて、わが子の発達段階をしっかり把握して、新しいことが出来たら大いにほめてあげましょう。これから毎日のように出来ることがどんどん増えていきます。立てて「偉い」、転んでもまたやろうとして「偉い」とほめてあげれば、「もっとやろう、親を喜ばせよう」という気持ちになって、これからの学習への大きなステップになりますよ。

絵本を読もう

口から出る言葉は、まだ「ダダ」「ママ」くらいですが、親の言葉の意味はずいぶん理解できて「それ、ママにちょうだい」「お鼻はどこだ?触って」という簡単な指示に従うことが出来ます。また、動物の声の鳴き声などを真似することが出来るので、絵本を読みながら「牛さんはどうやって鳴く?」などと言葉の遊びを取り入れながら語彙(ごい)を豊かにし、リズム感のある童話や童謡を繰り返すなどで言葉を話し出す基礎を作ってあげましょうね。

感情の代弁をする

この頃には感情反応が豊かになって、喜び、安心、不安、怒りなどを動作で伝えますね。ママとパパは、それに感情の言葉をつけてあげましょう。「そう嬉しいのね」「あら怒っているの?」「あー悲しい、泣いて良いのよ」といったふうに。感情は悪いものではなく、表したそれを分かってもらうことで、ママやパパをもっと信頼するようになり、親子のアタッチメント(愛着)が深まっていくのです。

 
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しつけの心得

泣いて知らせていた「眠い」「お腹がすいた」「のどが渇いた」「怖い」「抱っこ」などのニーズが、「これが欲しい」「あれはイヤ」などウォンツに代わると、しつけの時代が始まります。
ニーズとウォンツの違いを簡単に説明すると、ニーズ(生存のための欲求)は「のどが渇いた時の水」ですぐに飲ませなければなりませんが、ウォンツ(要求)はコーラなどのソーダ水で特別な時以外は飲ませなくてもよい、と考えれば良いでしょう。

子どもはウォンツに応えてもらうのを「待つ」「耐える」ことで判断をつかさどる大脳の前頭葉を発達させていきます。ですから、「これはしてよい」「あれはしていけない」という家庭で守るべきルールを両親がチームになって作り、一貫してそれに沿って行動することが肝要で、これが「しつけ」なのです。

4歳になるまでは、「なぜこれがいけないか」を言ってもまだ分からないので、ママやパパの「駄目」は、「駄目」でよいのです。ただ感情的にならず、中立的な声で、でもきっぱりと「駄目」と言ってください。むずかっても、無視するか、他のことで気分転換をさせてやってください。赤ちゃんはすぐに忘れて、注意を他に向けますから。「分からないから」などと手やお尻をたたいたりしては絶対にいけません。しつけについては、幼児期の部でもっとお話ししますね。

この頃の赤ちゃんには生活習慣が大切で、そのリズムに乗って安定します。起きる時間、3食の食事の時間、入浴の時間、昼寝や夜寝る時間などをきちんと決めて、外出先でも守りましょう。

 
 
 
6〜9ヵ月 1〜1歳半